母73才、初めての海外へ 4日目その3 『ワイン&ティーパーティー』(再掲)
やがて、店内にテーブルと椅子を並べ、午後のティーパーティー。ケーキとタルトが並び、コーヒーや紅茶、もちろんワインもありだ。イチゴのケーキが美味しそうだ。8人がそれぞれ好きな飲み物を持って「Prost !(カンパイ!)」し、ケーキやタルトをいただく。昼食からまだあまり時間がたっていないから、お腹は減っていないのだが、それでもイチゴのケーキをいただいた。母もせっかくなので、一ついただいた。
ケーキにタルト、美味しいワインとコーヒー、たまりません (^_^)!
好きなものを飲んで、乾杯!
それにしても、首尾よく用意されていたものだと思ったのだが、どうやらこの日来ることを聞いていたようだ。日本から私と母が来ることは知らなかっただろうが・・・。パパたちはこの店でいつもワインを大量に買い、なくなると空ボトルを持ってきて、その本数分だけ買うらしい。今日は私たちのリクエストと合致したのか、ちょうどその予定で、また新たに買い求めていくようだ。
パパが持って来ていた大きなナイロンのバッグには、数十本のワインの空ボトルが入っていた。ただし彼らが買うのは、まだラベルが貼られる前のもの。エルマー曰く「非合法の取引」なのだそうで、まだ『商品』になっていないもの、つまり課税されないのでその分安くなっているらしい。そういえば、パパとママの自宅、エルマーたちの自宅でいただくワインのボトルには、何のラベルもなかった。
アンジュラは着物を持参していたようで、母が着物の着付けをする。アンジュラの着物姿に、お店のユッタお母さんは「Oh ! Wunderbar !(まぁ!ステキ!)」と笑顔だ。日本の着物を目の前でこうして見ることは、滅多にないだろう。それだけで嬉しそうだ。
そして「Dsching, wir gehen spazieren.(皆で少し散歩しよう)」とアンジュラ。そこで、母とアンジュラ、ママ、ユッタお母さん、そしてカメラマン役の私の5人でツェルの街を歩く。中心部からモーゼル川沿いのプロムナード。さすがにアンジュラのこの着物姿は注目の的。通りがかりの人たちは皆、目を見張らせている。声をかけてきたご婦人たちもいて、アンジュラと話をしている。ご婦人たちのご主人に着物を見た感想を訪ねてみると、「後ろのデザイン(帯)が素晴らしい。それに色も素敵だよ」と話してくれた。アンジュラはすっかりご満悦だ。プレゼントした我々も、とても嬉しい。
モーゼル川遊覧船も、ここから出ています。
アンジュラの着物を見て、声をかけてきたご婦人たちと。
散歩からお店へと戻り、なおも皆でワインを飲み続ける。そして私と母もお土産に赤2本(1本4.5ユーロ≒620円)白3本(1本3.5ユーロ≒470円)のワインを買う。5本しか買わない私にエルマーが「Warum ?(なぜ?)」と尋ねる。「Ich möchte Schnaps kauchen.(シュナップスを買いたいんだよ)」と答えると、「Oh ! Schnaps ?(えっ!シュナップスだって?)」と笑っている。日本へは2人で6本しか持ち込めないので、あと1本は Schnaps(シュナップス;蒸留酒、食後によく飲まれる。消化に良いと云われ、ハーブから出来たものやサクランボから出来たものなど、種類は豊富。)を買うつもりなのだ。しかしユッタお母さんは、皆にワインを1本ずつプレゼントしてくれた。するとこれで計6本だ。シュナップスが・・・。ユッタお母さんは、私と母にツェルのワインのトレードマークでもある黒猫の置物もプレゼントしてくれた。
最後に、このお店の寄せ書きノートにメッセージを残していく。前回、私が来た時も書かせていただき、あれからほぼ3年。その間このノートにメッセージを残した日本人は、わずか1組だけだった。もちろん日本語で書かれているので前回同様、今回もその寄せ書きを翻訳する。出来る限りドイツ語で!『ツェルの人々はとても親切で・・・』は「Alle Zeller sind sehr nett...」、『ワインもとても美味しく、酔っています』は「der Wein ist auch sehr gut. und...ich bin blau...!」と訳すと、アンジュラとユッタお母さんは「Oh ! " ich bin blau " !」と、少しビックリしながら笑っている。”ich bin blau”は、直訳すると『私は青い』なのだが、実は『酔っぱらったぁ』という意味でもある。これを私が知っていたのが意外だったのだろう。
そして私は今回は、ほぼすべてドイツ語でメッセージを書き残し、お互いの友情のしるしに、日本とドイツ両国の国旗の絵を描いた。そして帰路へ就く。
*この旅日記は2005年のものです。
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