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2013年12月 4日 (水)

ネパール再会の旅 56 『2人の日本人女性』(再掲)

5月12日(木)晴れ
カトマンドゥ

 昨夜は夜中の1時過ぎまでククリラムを飲み干し、今朝は体がやや気だるい。というよりも完全な二日酔いだ。10時半過ぎに、なかなか部屋から出てこない俺を心配してか、ウマがドアをノックして入って来た。「どうしたの?」と。「二日酔いなんだ」とは言いづらく、「胃が痛くてね」とごまかした。彼女は明日トレッキングに出発する俺に、餞別としてツルピー(乾燥チーズの一種)を持ってきてくれた。なんと待遇が良いのだろう。

イミグレーション・オフィスへ出向き、トレッキング・パーミットの申請をする。1週間で250ルピー、エントランス料が650ルピー。何のかのといって、金がかかるワ!帰りにロードウェイ・カフェでコーンフレークとラッシー(ヨーグルトドリンク)でブランチ。

ゲストハウスへ戻りレセプションにいると、オーナーやサンカールが2人の日本人女性を連れてきた。しかし、受け付けはせずそのまま3階へと案内していった。彼女たちの荷物は、ネパール旅行者にしては珍しく、パックザックではなくスーツケースである。しばらくしてサンカールが俺を呼びに来た。その女性たちが「他に日本人は泊まっているの?」と訊いたようで、サンカールは俺のことを「コメディアンみたいな男だ」と話したらしい。そして「ここへ連れてきて」と言われたようだ。「ヘイ。キナ マ コメディアン フ! (おい、なんで俺がコメディアンなんだよ!)」と笑いながらサンカールに抗議しつつ俺も3階へ。彼が冗談めかして言ったのは分かっているから、決して怒ってはいない。

「こんにちは~!」
「こんにちは~!」
「今聞いたんだけど、僕のこと『コメディアンみたいな男だ』って言ったらしいけど、全然違いますからネ!」
「そうなの?『他に日本人泊まってるの』って聞いたら、そう言ってたから、『じゃあここへ連れて来て』って頼んだのよ、ネェ―!」

初対面なのに、初めから和気あいあい。彼女たちは文化交流目的と観光を兼ねて来ており、今回は、来年行う予定の琴のコンサートの下調べ、会場を決めるための下見をプライベート旅行と重ねて来たそうだ。「ヘェ~!そうなんですか!」とちょっとビックリ!ネパールへ来る前、シンガポールへも立ち寄り、そこに住む知人宅で泊めていただいたそうだが、それがとてつもない大邸宅だったらしい。ここマナスル・ゲストハウスへは、日本で知り合ったネパール人(オーナーの親戚らしい)の紹介だそうだ。2人ともネパールへ来たのは初めてだそうだ。

「ところでさぁ、この辺に、コンビニある?」
「すいません・・・(笑)、ここネパールですヨ!ネパールにコンビニがあると思います?」
「アハハ!やっぱり、ない?!」
「でも、コンビニに近いタイプのスーパーなら、ありますよ!」
「ホント?ヘェー、どこ?」
「そこの道を北へ行って、銀行の角を右へ・・・」
「あのねぇ、私達さぁまだ来たばかりで、どっちが北でどっちが南なのかも、わからないだから!連れてってヨ!」
「そりゃそうだ(笑)!じゃあ、3時にイミグレーション・オフィスへ行かなきゃいけないから、その時に案内しますよ。行く途中にありますから!」

2時半ごろ、2人を連れてまずスーパーへ向かう。2人が買い物を済ませ、イミグレーション・オフィスでトレッキング・パーミットを受け取る。そこで、

「さあ、次は?」
「エッ?次って?」
「どうせ暇なんでしょう?!ついでだから、どこか案内してよ。3回もネパールへ来てるんだったら、案内ぐらいできるでしょ?」
「・・・わかりました(笑)。」

とうとう歩いてまわれる範囲内で、カトマンドゥの街を案内することになってしまった。彼女たちの名前は、牧原さんと降矢さん。まずは王宮前を通り、ホテル・ド・アンナプルナを経てアサン広場、ニューロードへ。「ここはいつもバザールが出てて・・・」「ここがネパール一の繁華街・・・」などと案内する。するとふと、ネパールへ到着した時に知り会った高柳さんと会った。彼は今から日英ネ言語学校へ行くそうだ。

そしてスーパーマッケットという名のデパート。「ここは、僕が知る限りでは、ネパールで唯一エスカレーターがある建物なんですよ」と話すと、驚いたというか笑いながら、「見てみたいね。それにどんなものが売ってるのかも見たいし・・・」で、中へ。エスカレーターでは子供たちが下りのエスカレーターを逆に上ろうとしたり、こんな光景、かつて日本でも見たことがあるなぁ。フレッシュジュースを売る店があって、「ねぇ、喉乾いてない?何か飲もうか?」と言われて、ジュースを飲む。俺の分は彼女たちがご馳走してくれた。ジュースを飲みながら1階まで下りてきたら、そこで今度はシンガポールからの飛行機の中で知り合った高橋さんとも偶然再会した。

さらにそこから、観光案内所を経てダルバール広場へ。ここにもお土産を売るバザール、『生き神様』と崇められる『クマリの館』、『カーラ・バイラブ寺院』などを案内し、インドラ・チョークをのんびり歩き、2時間ほどカトマンドゥの街を彼女たちに案内してゲストハウスへ戻る。またしても、喉が渇いていたのでスプライトをご馳走になってしまった。でも2人にとってはデパートでのジュース代と共に俺に対する『ガイド料』だったのかもしれない。俺自身も久々に観光した気分だ。明日からしばらくブプサへと向かう俺、2人とはこれが最初で最後かもしれないので、そのことを告げ、お互い「ありがとう!」とにこやかに握手した。彼女たちは本当に感謝してくれた。そして4時半過ぎ、シャワーを浴びる。

夕食は、ラサ・レストランでエッグ・フライドライスとエッグ・コーンスープ、ジャスミンティー。ゲストハウスへ戻り、明日の出発の用意、部屋代の精算、手紙の投函依頼。そしてオーナーとアンジュと俺の3人で、また酒を飲む。

それにしても、この日は色々な人と会えたし、パブラムからも電話があったし、楽しい日々を送っている。明日は飛行機のフライトが早いので、8時には寝ることにする。

カトマンドゥ、マナスル・ゲストハウスにて

*この旅日記は1994年のものです。

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