« ネパール再会の旅 20 『カグベニへ』(再掲) | トップページ | ある同級生の話 »

2013年9月12日 (木)

ネパール再会の旅 21 『ジェンテンと再会』(再掲)

そして2時。「ナマステ」と言ってロッジの中へ。返事は返ってくるが、姿が見当たらない。もう一度「ナマステ」と呼ぶと、キッチンから声が聞こえてくる。2年前と同じように、堂々とキッチンへお邪魔する。すると、2年前には見なかった女性がいた。「おや?」と思い、「ジェンテンいる?」と尋ねると「そこにいるわよ」と答える。壁際の椅子にいました、いました、ジェンテンが!「ナマステ!ジェンテン。俺のこと覚えてる?」と聞くと、「もちろんよ」と答えてくれた。

Img455
’92に訪れたとき、わずか1泊だけでしたが、とても親しくなったジェンテン。この写真を送ってあげてから、この2年間、何通か手紙を出し合っていました。
(詳しくは、カテゴリー『1992 アンナプルナ周遊』その15、16をご覧ください)

2年ぶりの再会、しかもヒマラヤの山深い村でのことだ。そう簡単に実現できることではない。お土産に持って行った絵葉書と風呂敷を渡すと、たいそう喜んでくれた。

昼食がまだだったので、ベジタブル・ヌードルスープ(ララ・ヌードルスープという、ネパールでもっとも人気のあるインスタントラーメンに、具として野菜を入れたもの)と、チャパティ(麦パン)、そしてブラックティー(紅茶)を注文する。ヌードルスープは、チキン風味で日本のインスタントラーメンとほとんど変わらない味だから、とても美味しい。

食べ終えた後は、ジェンテンとゆっくり話をしたり、一緒に写真を撮ったりしていた。ふと彼女が「私が大切にしているものなの」と言って持ってきた箱の中には、このロッジに泊まった旅行者からのお礼状や写真が入っていた。もちろん俺が送ったものも、大切に持ってくれていた。

Img044
お互い再会できた喜びが、笑顔に溢れています。行くことは知らせていなかっただけに、彼女にとっては『青天の霹靂』のような訪問だったかもしれません。それだけに、本当に喜んでくれました。

現在、彼女のご両親は隠居しており、ロッジの仕事はジェンテンと姉のラクパが任されている。それでもジェンテンが知らせに行ったようで、ご両親もニコニコと笑顔で会いに来てくれた。2人とも元気そうで、俺のことも「ネパール語が話せて、レッソム・フィリリを歌った日本人だろ!よく覚えているよ。」と話してくれた。

食堂では寒いので、キッチンで暖をとる。本来なら、客は立ち入り禁止にするところ(ホテルや旅館などの厨房へ入って行くようなもの)だろうが、全くお構いなし。受け入れるほうは、むしろ楽しんでくれる。そしてチャン(ネパールの地ビール;濁り酒)、バター茶、ポップコーンで、もてなしてくれる。宿泊客に違いはないのだが、完全に友達扱いで、ネパールでは親しくなればなるほど、兄弟のように思ってくれる風潮がある。ということは、ジェンテンは俺のことを兄のように思ってくれているのだろうか?

この日は朝が早かったので、ベッドルームで2時間ほどうたた寝をした。夕方、ジェンテンが夕食の注文を聞きに来た。ガーリックスープとエッグ・フライドライス、ムスタンコーヒー(ロキシーというネパールの焼酎のコーヒー割)をたのみ、再びキッチンへお邪魔する。釜戸のそばで暖をとりながら、夕食の準備の邪魔にならない程度に話をしていた。彼女たちは、仕事をしているときでも、いつも歌を歌いながら明るく楽しそうにふるまっている。知っている歌が出てくると、俺も一緒に歌い出す。「パンコパト・・・」や「レッソムフィリリ・・・」と。皆、大喜びだ。

Img045
キッチンで夕食の準備をするジェンテン。

*この旅日記は1994年のものです。

|

« ネパール再会の旅 20 『カグベニへ』(再掲) | トップページ | ある同級生の話 »

コメント

可愛いですね、この方。みんな美人さんだわ。綺麗な女性が多いところですね。みんなそれほどお化粧なんてしていないのに。
アットホームなおもてなしがうれしいですね。


agewisdomさんへ

ネパールは北海道の2倍弱ほどの面積に、数多くの少数民族が暮らしています。
彼女たちはチベット系の人々で、日本人にも似た顔つきでしょ?!
ジェンテンは可愛らしく、お姉さんのラクパは綺麗な人、というイメージです。
お化粧・・・、たぶん”スッピン”だと思います。『笑顔に勝る化粧なし』です。
客というより、『遠来の友達』という感じで迎えられました。

投稿: agewisdom | 2013年9月12日 (木) 22時21分

お早うございます
相変わらず地図を片手に拝見しています
ポカラからジョモソムへは判りました
カグベニは見当たりませんでした
(ベニはありましたが)
再会の旅は感動の連続のようですね
ジェンテンさんの笑顔 素敵ですね
そうですか キッチンに入れるのも
親密さの現われなのですね


古都人さんへ

地図で場所を確認しながらお読みいただき、とても嬉しくもあり恐縮です。
カグベニはジョモソムから少し北へ行ったところです。
ベニはもっと下流にある街で、今ではポカラからバスで行くことができるそうです。
ジェンテンにとっては「まさか?!」の出来事だったでしょうから、本当に驚き心から喜んでいるのが表情からも窺えます。
以前訪れた時も「ここは暖かいですね」とネパール語で話しながらキッチンへお邪魔し、皆と会話していました。

投稿: 古都人 | 2013年9月13日 (金) 06時27分

感動的な再会が果たせてよかったですね。
私はもう10年以上ご無沙汰ですので
向こうで知り合った人も
きっともう忘れられていると思います。

その後日本へ来られて会った人も
ありますが、その人からも
もう一度来て~と言われています。
それでもなかなか行けません。

きっとキッチンなども20年前と今と
変わらないでしょうね。
そういうゆったりとした国ですから。


matsubaraさんへ

バブル経済がはじけて一気に不景気になった時代、わずか2年後にまたネパールを訪れたのです。
その間、このような奥深い村とでも手紙が行き交い、親交を保っていました。
それだけに私の突然の再訪はジェンテンにとって『青天の霹靂』だったことでしょう。
電気は来ていてもガスは今でもきっとないでしょうから、キッチンはこの当時と今も変わらないままでしょうね。
もう一度行きたいと思っても、「もう無理だろうなぁ」とあきらめています。
ジェンテンは結婚後もこの村で暮らしているとずいぶん前に聞きました。

投稿: matsubara | 2013年9月13日 (金) 07時53分

ご無沙汰しております。
なかなか復調に至らず・・・
痛いところは痛いのです。
長くパソコン前に座りたくないので
ブログもいい加減なことばかりしていますよ。
この記事、拝見したことがあるような・・・
2年前くらいにアップなさっていませんでしたっけか?
写真の可愛い女性に見覚えありっ!!


Saas-Feeの風さんへ

退院後「どうかな?」と気になっていました。
ブログの更新具合やコメレスなどから、「まだ本調子ではなさそう」と、感じていましたが、やはりそうでしたか。
ご自身のブログもこちらへの訪問も、体調良くなってからでかまいませんので、まずはお身体をお大事に。
この記事、タイトルの後に(再掲)とありますとおり、かつてアップした記事です。
当時(たぶん3年ぐらい前)に比べプロ友さんもずいぶん増えましたので、再び掲載している次第です。

投稿: Saas-Feeの風 | 2013年9月13日 (金) 14時16分

ネパール語もかなり勉強されたのでしょうね。
コミュニケーションをとるには最低限の挨拶程度は覚えてくださいとツアーの旅行でも言われます。ちょっとした挨拶を喜んでくれますね。
いろいろな人と再会できるということは、当たり前ですがもう一度出かけなければ果たせないこと、本当に贅沢と言えるかもしれません。
ジェンテンさん、なんて可愛いのでしょう。そして働き者なのですね。


tonaさんへ

ネパール語は日本では学べる機会はほとんどなく、いつも現地でゲストハウスのスタッフに教えてもらったり、カトマンドゥの街の中にある本屋で見つけたネパール語のフレーズブックなどを買って、時間がある時に勉強していました。
やはり最低限、挨拶だけはその国の言葉を話したほうが良いですよね。それがその国を訪れる際の”礼儀”のように思います。
当時、日本経済の突然の不景気に私自身の仕事は二進も三進も行かなくなって、ついに『再会の旅』を決行してしまいました。
ジェンテンにとっては「まさか?!」の訪問。喜んでいる様子が表情からも読み取れます。

投稿: tona | 2013年9月13日 (金) 20時37分

テレビの滞在番組で 再会の旅、という番組がありましたね
なんとなく それを想像してしまいましたが 慕辺未行さんのは
もっとしみじみとした 暖かいものを感じます
あと何回も 再会させてあげたいと思いましたよ ・・

日付を気にせず 無事通過させてもらったと聞いて ホッとしました 日本だったら無理ですね!
 

bellaさんへ

今は放映されていませんが、たぶん『世界ウルルン滞在記』でしょうか?
あの番組で一度訪れたところへ同じタレントが数年後に再会しに行く、というシーン、見覚えがあります。
今思えば、そう、あんな感じです。
こちらは再会できると信じて出かける。相手は「まさか?!」の再会に驚きとともに大喜び!
でも本当に喜んでくれたこと、写真の笑顔でお分かりになれるかと思います。
トレッキング・パーミットの日付ですね?
「1日早く出てきている」なんて向こうは思わないのかもしれません!あっさりと通過できました。

投稿: bella | 2013年9月13日 (金) 21時46分

とっても可愛らしい方ですねheart02
愛らしい笑顔に長い旅の疲れも癒されそう
旅行者から送ってこられた手紙や写真を、ちゃんと大切に取っておいてくれてあるのも嬉しい限りですよねnotes
おおらかな国を旅すると、日本との時間の流れの違いに戸惑います
ほとんど変化もなく、時間に追われない、時の流れが止まったような暮らし・・・なんでしょうねconfident


きゃぶさんへ

この日は朝早く起き、ジョモソムから2~3時間かけて歩いてきましたが、疲れなんてどこ吹く風で再会をお互い喜んでいました。
私以外にも世界中からしばしば手紙や絵葉書が届くようで、宝物のように大切にしていました。
私が持参したお土産も新たに宝物の一つになってくれたと思います。
この村を初めて訪れたのは1984年。その後10年の間で電気が来たこと、郵便局ができたことは驚きましたが、人々の生活はほとんど変わりはないと思います。
みんなマイペースでのんびり暮らしています。

投稿: きゃぶ | 2013年9月14日 (土) 18時03分

こんばんは
このトレッキングはお一人なのでしょうね。
手続きなど大変そうですが、さすがに
お慣れに成っていますね。
道中、寂しくは有りませんか?
ジェンテンさん可愛いですね~
日本人に似ていますね。
予期せぬ再会にお喜びに成った事でしょうね。
お写真拝見しても、喜びが伝わってきます。
宿泊客を超えた家族の再会の様です。
これも言葉の壁が無い出会いだったからでしょうね。


すみれさんへ

海外へはいつも一人で出かけますので、このトレッキングももちろん一人です。
ネパールでのトレッキングも4回目、このエリアは3回目でしたからすっかり慣れていました。
道中一人だからこそ、同じ方向へ歩く人やすれ違う人々に気軽に声かけられたり声かけたり・・・、それがけっこう楽しいです。
この辺りの人々はチベット系の民族ですので、日本人とルーツは同じかもしれません。
行くことは知らせていなかっただけに本当に驚いたでしょうし、とても喜んでくれました。
隠居しているご両親にまで知らせに行ったほどですから、よほど嬉しかったのだと思います。
もちろん私も嬉しかったです。

投稿: すみれ | 2013年9月14日 (土) 21時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ネパール再会の旅 20 『カグベニへ』(再掲) | トップページ | ある同級生の話 »