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2013年8月 7日 (水)

ネパール再会の旅 5 『ゴビンダと再会』(再掲)

そして歩いて20分ほどのところにあるゴビンダの家へ。2年ぶりだが、道は覚えていた。1階2階は貸室で3階がゴビンダの家族が住むマハルザン家。その3階へ上がり「ナマステ」とあいさつする。手前にあるキッチンには女の子が3人、妹と従姉妹とあと一人は・・・?後で聞けば、つい最近結婚したゴビンダの兄の奥さんとのことだ。彼女たちに「ゴビンダ ツァ?;ゴビンダいる?」と尋ねると、隣の部屋を指さした。隣の部屋、リビングを覗くと男たち4人、車座になって何やらゲームに興じている。

「ヘィ!ゴビンダ!ナマステ!」と言うと、皆一斉に俺の方を見た。とたんにゴビンダが目を点にして立ちあがり、「ジンさん!あなたはいつネパールへ来ましたか?!」と驚いたように、日本語で訊いてきた。「今日だよ、今日。ついさっき着いたばかりだよ!」と言うと、「びっくりしましたネ、突然にあなたは来るから!」と答えた。まわりを見ると、父親、弟、従兄弟もいる。皆、俺とは顔なじみなので、覚えていてくれたようで、突然の訪問にも、大歓迎してくれた。

ふと見ると、ゴビンダのお母さんがいない。すぐ隣にある祖父母の家にいるらしい。弟のサビンダが窓からそちらへ向かって「マー!;母の別の言い方(母=アマ)」と呼んでいる。初めにおばあさんが顔を出した。「ナマステ」とあいさつすると、おばあさんはしばらくして俺のことを思い出したようで、笑顔で「ナマステ」と答えてくれた。続いておじいさん。しかし、「誰だったっけ?」という表情だ。そしてお母さん。おばあさんから聞いたのか、「よく来てくれた」と言わんばかりの満面の笑顔で「ナマステ、ナマステ!」と喜んでくれた。

しばらくして、兄のラビンダが外出から戻って来た。彼は色付けが終わったライスペーパー製のカレンダーを、ペーパークラフトショップへ納品しに行っていたそうで、店の主人から俺が来たことを聞かされていたらしい。俺とは行き違いになったわけだ。だから「来ていることは知っていたよ」と話し、再会を喜んでくれた。俺も「結婚したんだってね。おめでとう」と彼を祝福した。

リビングで皆と話していると、妹と従姉妹が「私たちのことも覚えていますか?」と不安げに尋ねてきた。「もちろん。僕が初めてここへ来た時、毛糸を巻いていたでしょ?」と答えると、「そうでした、そうでした。」と2年前に出会った時のことを思い出していた。そしてお母さんもこちらへやって来て、あらためてあいさつすると、本当に喜んでくれているのが伝わってくる。すると、お母さんは女の子たちに突然何か叱りつけている。ゴビンダに聞くと、「お客様が来ているのに食事も出さないで、何をやっているの!」と言っていたそうだ。

この日は小さなお祭りの日で、ご馳走も豪華だ。チャン(ネパール風ビール;どぶろくにも近い)を飲み、チュラ(干し飯)、マス(肉)、バラ(ネパール風はんぺん)をご馳走になる。うーん、ネパールの味だ。どれもこれも美味しい。ネパールの人々は、いつでもどんな時でも、今回のような突然の訪問に対しても、お客を丁重にもてなしてくれる。時間を問わず、食事をふるまってくれるのである。ネパールへ着いて最初に口にしたものが、ネパールの一般の家庭での家庭料理。わずか数時間で、身も心もネパールにどっぷりと浸かってしまった。たらふくご馳走になり、お礼を言う。

今からテレビでインド映画が放送されるようで、皆も楽しみにしていたらしく、俺も一緒に見ることにする。1・2階の住人たちも、テレビを見にやって来た。彼らの部屋にはテレビがないそうで、こうしてしばしばやって来るらしい。初めのうち、子供たちは映画よりも「どうしてここに日本人がいるのだろう?」という感じの不思議そうな眼で俺の方を見ていた。

夕方になって、そろそろお暇(いとま)しようとするとゴビンダが、「今、フランス人の友達もネパールへ来ています。今日、彼を招待してここで一緒に食事をすることになっています。ですからあなたも一緒に食事をしていってください。」と言うので、夕食もご馳走になることにした。フランス人の友達の写真を見せてくれたが、俺の知らない人だった。しかし同じマナスル・ゲストハウスに泊まっているそうだ。

Img051
2年前に初めてゴビンダの家を訪れたときです。ここに写っているすべての人と、この日再会できました。

*この旅日記は1994年のものです。

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