『慕辺未行 古い旅日記』も、そろそろネタ切れです (^_^;;アセアセ!
とはいえ、海外旅行をメインに書き綴りましたので、国内のこともと思うのですが、しかし国内旅行の場合、リアルタイムの情報が好いでしょうし・・・(-_-)ウーン!
それはさておき、とりあえず古いアルバムや旅のノートを引っ張り出し、「何かネタはないか?」と探していたところ、旅の行程を書き残したノートに面白いメモを発見 (^o^)!「そういえば、あったあった!」と思い出しました。
信じられないような話であり、都会では絶対にあり得ない話。でも実際に、私が体験した事実です。
皆様は、列車に乗り遅れそうになった時、どうなさいますか?頻繁に列車が行き交うところなら、次の列車を待ちますよネ!しかし、1日にほんのわずかしか走っていない路線、1本乗り遅れたら次の列車は3~4時間後!というところだったら、どうされますか?仕方なく、諦めますよネ!・・・ふつうは!?
時は、今を遡ること30年ほど前、JRがまだ国鉄の時代だった頃です。当時まだ二十歳だった私はゴールデンウィークに北海道へと旅し、内陸部の過疎の街”朱鞠内”を訪れました。朱鞠内は、今はすでに廃線となっていますが、函館本線の深川駅と宗谷本線の名寄駅を結ぶ深名線というローカル線の途中駅でした。近くには朱鞠内湖(人工湖)があり、冬の間は極寒のあまり凍結し、春暖かくなると凍結した湖面が盛り上がり、一気にひび割れる現象が起こるそうです。
この朱鞠内に、言葉は悪いですが本当に鄙びた旅人宿がありました。外見を見た限りでは、とても宿とは思えないような、粗末な民家宿です。経営者も勝手気ままにしていました。私はこの宿へその冬初めて訪れ、ゴールデンウィークに再訪してしまいました。そこで、印象深いある事件が起こったのです。
私がその宿に泊まった翌日、札幌から夜行列車に乗る予定で夕方、その宿を出るつもりでした。その宿の最寄り駅は『湖畔』という乗降場。『駅』ではなく季節だけの臨時の『乗降場』。
私はその『乗降場』から名寄発朱鞠内行きの列車で朱鞠内駅へ。そして朱鞠内発深川行きの列車に乗り換えるつもりでいました。宿のヘルパーの”チャリンコ”君が『湖畔乗降場』で見送ってくれることになりました。そして列車がやって来ました。が・・・、停車する気配はなく、そのまま通過!私もチャリンコも、唖然呆然・・・。しかし、それもそのはず!その日は5月6日。列車はゴールデンウィーク中は停車したものの、それを過ぎたこの日は停車しなかったのです。
「アッ?そうか!しまったぁ~!」と思った時、列車はすでに朱鞠内駅へと向かい、深川行きの列車へ10分ほどで連絡します。深川行きのその列車に乗らないと、その日の札幌からの列車に間に合いません!つまり、予定している日に帰れないのです。ホント、ヤバいです・・・。見送りに来ていたチャリンコも慌てて、そして「とりあえず急いで宿へ戻ろう」と言って、宿へと戻りました。
宿に戻るとチャリンコはすぐに朱鞠内駅へ電話しました。そして・・・、「ハイ、すぐに行きますので!お願いします!」と言って電話を切り、大急ぎで私を50ccのバイク(カブ)に乗せ朱鞠内駅へと走りました。この時、朱鞠内発深川行きの列車はまさに出発直前の時間!宿から朱鞠内駅までは、たとえバイクでも10分はかかる!私は「本当か?大丈夫か?!」と思いつつも、チャリンコの言葉を信じてカブの後ろに座り、朱鞠内駅へと向かいました。
定刻通りなら、深川行きの列車は既に出発しているはずでした。しかし、我々が朱鞠内駅へ着いたとき、その列車はまだ…そこに留まっていたのです (゚O゚)オォーッ!
チャリンコに送られた私は彼への挨拶もそこそこに、とにかく駅員に「急いで、急いで!」と促されるまま改札を抜け列車へと飛び乗りました。私が列車に乗るとすぐに扉は閉められ、列車は出発しました。
私は本当なら乗れなかったはずの列車に、奇跡的に乗ることができました。列車内には、ほんの少しの乗客がいました。皆、地元の方のようです。私のせいで列車を遅らせたので「すみません」と頭を下げると、「いいさぁ、いいさぁ!」とニコニコしながら許してくれました。そして次の駅で停車中に、運転士の方にもお詫びとお礼を言うと「大丈夫!深川には定刻に着くから!」と仰っていました。10分ほど遅れて出発したのに・・・?しかし、その運転士の言葉は本当でした。
私は深川駅から接続する札幌行きの特急・ライラック号に無事乗ることができ、その旅を終えることができました。
すでに廃止された北海道のローカル線での出来事です。今から30年近い昔に私自身が実際に体験したことです。皆様はこのような体験、類似した経験、おありでしょうか?私にとっては今も忘れえぬ、貴重な体験であり思い出です。
函館本線を走るSL三重連『ニセコ号』。(本文とは関係ありません)
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