エヴェレスト街道 帰路 その6
20代最後の日
3月24日(火)晴れ
パクディン8:10(徒歩)10:40ルクラ
とうとう20代最後の日。そして、トレッキング最後の日でもある。背後にクンビラやヌンブルが、我々を見送るかのように聳え立つ。ルクラは、この街道沿いをややそれた丘の上にある村だ。分岐まで来た。左へ行けばルクラ、まっすぐ行けば、カリ・コーラを経てジリへ。できることなら、まっすぐ行きたかった。しかし、今の俺では左へ針路を取るしかなかった。さほどきついところもなく、2時間でルクラ到着。
パクディンのロッジを出てすぐ、この吊橋を渡ります。とても名残り惜しい・・・。
パクディンから見たヌンブル(6957m)
ルクラは、カトマンドゥから直行便がやってくる、いわば、エヴェレスト街道の「空の玄関口」。ロッジや日用雑貨店、登山用品のレンタルetc...。大きな村だ。この時もちょうど、日本から中高年のトレッキンググループがやって来た。
そして、異様な日本人の姿も見た。彼らは俺以上に疲れ果てている様子で、まだ若いのに杖をつきながらフラフラと、やっとここまで戻ってこられた、といったように見えた。
そう、彼らは途中で出会った3人の学生で、ジリからナムチェまで我々が8日かけて行く行程を、わずか5日で行くと言い、昼食時に日本語で「ご飯、ラーメン」と言って、仲間たちのひんしゅくを買った男たち。
彼らの歩く姿はあまりにも痛々しいが、しかし、自業自得と言えばそれまでだ。ラジンは彼らと最初に会った後、彼らのスケジュールを「クレイジーだ」と言っていたし、あのペースで行けば当然の結果だ。
彼らは俺たちに気づいたようだが、この時はお互いに声をかけることはなかった。声をかけるのがはばかれるほど、彼らの歩く姿は痛々しかった。
それにしても、カトマンドゥへはいつ帰れるのだろうか?明日のバースデーフライトに間に合うだろうか?ラジンは何度もチケットの予約に奔走している。そして午後3時。どうやら明日のフライトの予約がとれたようだ。30代のスタートは、ルクラ~カトマンドゥのフライトで始まるわけだ。
20代最後の日。エヴェレスト街道トレッキング最後の日と重なりました。ルクラ、サウスコル・ガーデンロッジにて。ラリグラスがあちこちに飾られています。
ルクラより、東にそびえる山々。3枚つなげてパノラマにしてみました。
短いようで長い、けど長いようで短い旅だった。200Km以上は歩いただろうか?左膝の痛みは、最後まで治らなかった。風邪も治らない。カトマンドゥでしばらく休養し、次の予定へと向かおう。
ルクラ、サウスコル・ガーデンロッジにて
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コメント
強行軍では、後々体にこたえるでしょうね。でも、日本人の多くは少ない休みを利用して予定を立てるからついつい強行軍になる。余暇を楽しむ以前に余暇を作ることが下手な民族だし、それを受け入れる精神的な土壌が出来ていないと感じます。夫などその典型。完全な仕事人間が時流に乗って旅行をしようとするからいつも日程に追われています。そのうちに暇になるといいつつ73歳ですよ。自分の仲間と行く時は少しは長く行きますが、それだって、味わうゆとりより、予定をこなすという感じになります。ヤレヤレ。
hannaさんへ
そうなんですよね~!日本人にとって、学生時代はともかく、社会に出れば1週間から10日も休みが取れればいい方ですからね。よほど思い切らないと、このような旅はできないです。そして、旅から帰った後はもっと大変!改めて就職活動するわけですから!
ドイツでは、年間でおよそ1カ月の有給休暇がとれるそうです。エルマー・アンジュラ夫妻は、それをフルに使って来ていたようです。ゆとりがあって羨ましい!
私は今まで、修学旅行や慰安旅行を除けば、団体やツアー旅行に参加したことは一度もありません。たぶん、性に合わないのでしょうね。概ね、1人旅ばかりですので、予定もさほど立てたことがありません。行き当たりばったり、が私の旅の特徴です。決して他の多くの方々の旅を否定するわけではありませんが、私が私自身納得できる旅、それは自由な一人旅、です。エラそうなこと言って、すみません。お許しを~!
投稿: hanna | 2009年11月 7日 (土) 22時52分
20代だったのですか。
お若いからこそできたことなのでしょうね。
Saas-Feeの風は200kmを歩くなんて、国内ならまだしも、
山岳地帯ではとても無理だと思いました。
スイスとは色々な面での事情が違いますからね。
今日の新聞折込チラシに「ネパール」ツアーがありました。
「ポカラに2連泊」で6日間とのこと。
ほとんど歩くことは無いのでしょう。
Saas-Feeの風さんへ
ハイ、この時はぎりぎり20代でした。今日更新したブログにも書きましたが、1992年のことですので、今は・・・です。(^_^; ;
歩く以外にないところでしたが、今振り返ると「ホント、よく歩いたワ」というのが実感です。実際の距離はわかりませんが、およそ200kmぐらいだろうとのことでした。名古屋からですと静岡を越えるぐらい、西へ行けば神戸辺りになるでしょうか?
私がスイスでハイキングを楽しんだのは、この10年後。40才になっていました。Saas-Feeの風さんから見れば、それでもまだ若いのでしょうが・・・!
ネパールツアー6日間・・・ですか?かなりの強行軍だと思います。カトマンドゥ~ポカラ間の移動手段(たぶん飛行機でしょうが)は、あまり当てにならないのがネパールですから。ポカラからはアンナプルナの山々がとてもきれいに見られますが、もちろんお天気次第です。10日から2週間ぐらいのツアーなら、ちょっとしたトレッキング(2泊3日ぐらい)も行くでしょうし、その方がヒマラヤを肌で感じられると思います。
投稿: Saas-Feeの風 | 2009年11月 8日 (日) 20時48分