カリブの怪人?いえ快人です。2人のジャマイカン。
2月25日(火)
イミグレーション・オフィス(出入国管理事務所)へ、トレッキング・パーミットの申請に出かける。ところが、かつてはトレッキングパーミット申請・取得で自動的にビザも延長できたのに、現在はビザはビザとして延長、しかも1日につき20ドルのバンクレシート(両替証明書)、1ヵ月延長するなら600ドルものバンクレシートが必要だという。冗談じゃない!600ドルあれば、3ヵ月以上滞在できるって!しかしこれが、今の規則だと言う。
1人で悩んでいても仕方がない。西遊旅行社で日本語が堪能なスタッフに相談する。すると、「先日、20ドルのバンクレシートさえあれば延長できる、と政府が発表しました。新聞にも載っています。ただ、政府からの正式な文書が、イミグレーションにまだ届いていないのでしょう。この国は仕事が遅いですから・・・」という返事。それならば後日、再アタックすればいいか。
カトマンドゥ、マナスル・ゲストハウスにて
2月26日(水)
午前8時30分起床。11時間も休んだことになる。気温10℃位。朝食を終え、今、午前10時。朝の陽だまりの中、マナスル・ゲストハウスの204号室のバルコニー。ここで究極の怠け者ぶりを発揮している。放浪癖が身についてしまった俺は、我武者羅に仕事をしながらも、時として、どうにもならないほど旅に出たくなることがある。そして、ある日突然、職を辞し旅に出る。
怠惰で放浪癖のある俺は、ここネパールで今、究極の怠惰をむさぼり楽しんでいる。毎日、何もすることがないことの贅沢。日本という国の気ぜわしさが、はなはだ良く分かる。とはいえ、日々一生懸命働いている人々からすれば、烈火のごとく怒りたくなるようなことだろう。
10:30ごろ、隣町のパタンへと出かけることにする。ゲストハウスを出たところで、仲良くなったジャマイカンのサムエルと会う。
S「dsching、どこへ行くんだい?」
d「パタンまでのんびり歩いて行くつもりだ」
S「どれくらいかかるんだい?」
d「1時間ぐらいじゃないかな?一緒に行くかい?」
冗談で誘ったつもりが、彼はしばらく考えた後「OK!」と返事をし、一緒に行くことになった。片道5~6kmってところか。ぶらぶらと1時間半ほど。2月とはいえ日中は暑い。パタンで好物のパポリ(スナック菓子の一つ)を発見。1ルピーで8本。相変わらずウマイ!
パタン中心部。お寺がたくさんあります。
ふと、前方から学校帰りの子供たちが、ふざけあいながら歩いてきた。しかし彼らは、我々の姿を見た途端、ふざけあうのをやめて、道の端の方を静かに歩きだした。まるで何かを恐れているかのよう。
d「ヘィ、サムエル。子供たちが君を怖がって逃げてるぜ。危ない男と思われているんじゃないのか?」
S「オー、ノー!俺は危ない男じゃないぜ!」
サムエルはそう言いながら、子供たちに愛想を振りまきながら、満面の笑みで近づき、
S「ハロー!ナマステ!俺は怖い男じゃないよ。いい人だよ。だから握手しようぜ!」
子供たちは、初めは驚いたのか逃げ腰だったが、すぐに面白がって彼と握手しだした。俺は、サムエルのあまりの茶目っ気ぷりに、腹を抱えて大笑い!
d「サムエル!ホントあなたは、ナイスガイだよ!」
S「だろ?俺はいい奴なんだよ!」
お互いにさらに親しくなったのだが、ここパタンはカトマンドゥとあまり大差のない街。そろそろ飽きてしまった。帰りにどこかで昼食を、と思ったのだが、サムエルが「ゲストハウスの俺の部屋で一緒に食べよう!」と言うので、乗り合いタクシーでラーニーポカリ(カトマンドゥ中心部)まで1人3ルピーで行き、ゲストハウスへと戻る。
サムエルの部屋へ行くと、アレックスがいて、皆で一緒にランチにする。俺は、ご馳走になるほうだが。3人でパンとミルクティーで食事を始める。しばらくすると、部屋の前を通る2人の女性。俺は初対面だが、彼らはすでに彼女たちとは顔なじみだったようで、彼女たちを部屋へ招き入れる。彼女たちはいずれも一人旅で、1人はスウェーデンのミリアン嬢。もう1人はアフリカ・モザンビークのビクトリア(通称;ピッキー)嬢。とうとう5人での賑やかな昼食となった。
すると、驚いたことに、「ジン、ツナがあるけどパンに塗って食べるかい?」とサムエルが言う。俺は、缶詰のパッケージのデザインを見て、それがシーチキンと分かるやいなや、「オーッ!欲しいぃぃっ!サンキュー!」と言って、パンにツナを乗せて美味しく頂いた。彼らは「日本人はやっぱり魚が好きなんだな!」と笑いながら言っていた。おかげで、腹いっぱい食べることができた。
アジア(日本)、アメリカ(というのは?中南米・ジャマイカ)、ヨーロッパ(スウェーデン)、そしてアフリカ(モザンビーク)。それぞれ全く違うところから来ているのに、不思議なくらい楽しかった!こういったインターナショナルな交流も、1人旅ならでは、である。
その後も5人でおしゃべりしたり、夕方、2人のジャマイカンと時間を持て余しているスタッフのゴビンダとパブラムと共に、屋上でふざけあったり写真を撮ったり・・・。サムエルとアレックスにボクシングのファイティングポーズをしてもらうと、逆に俺は空手のファイティングポーズをさせられた。空手を習っていたわけではないが、高校時代の体育祭の応援団の経験があるので、それを思い出して、何とか少しばかりの形だけでも披露した。
アレックス(左)とサムエル(右)に、ボクシングのファイティングポーズをお願い!彼らがかぶっている帽子も、おしゃれで、とても似合っていました。
アレックス、ゴビンダ、サムエルとともに。アレックスの上半身のすごさ、服の上からでも分かります。さすが、元アマチュアのチャンピオンボクサー!
S「ヘイ!dsching!ボクシングvs空手」
d「OK!カモン!」
さすがにこれには皆、”バカ受け”だ!
サムエルと空手対決???
一見、強面、しかし明るく陽気なジャマイカン、サムエル氏。
それにしても、スタッフの皆が俺にネパール語で話しかけたり教えてくれているせいか、ずいぶんネパール語のボキャブラリーが増え、覚えてきた。パブラムのお姉さんのアンジュ(マッサージ師であり、ヨガの先生でもある;ゲストハウスの一室を借り経営している)に、「あなたのネパール語は、とても上手だ」と褒められた。
レセプションのパブラムと、彼の姉でマッサージャーのアンジュさん。
カトマンドゥ、マナスル・ゲストハウスにて
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